轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じんせいろんノート

人生論ノート

三木 清

下記以外「文學界」文藝春秋社、1938(昭和13)年6月~1941(昭和16)年10月<br>個性について「哲學研究 第五十二號 第五卷 第七册」京都哲學會、寶文館、1920(大正9)年7月1日<br>後記「人生論ノート」創元社、1941(昭和16)年8月11日<br>旅について 不詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,023 字 · 143 页

青空文庫

笑は動物にはない人間的な表情であるとすれば、懐疑と笑との間に類似が存在するのは自然である。笑も我々の感情を浄化することができる。懐疑家の表情は渋面ばかりではない。知性に固有な快活さを有しない懐疑は真の懐疑ではないであろう。

真の懐疑家はソフィストではなくてソクラテスであった。ソクラテスは懐疑が無限の探求にほかならぬことを示した。その彼はまた真の悲劇家は真の喜劇家であることを示したのである。

従来の哲学のうち永続的な生命を有するもので何等か懐疑的なところを含まないものがあるであろうか。唯一つの偉大な例外はヘーゲルである。そのヘーゲルの哲学は、歴史の示すように、一時は熱狂的な信奉者を作るが、やがて全く顧みられなくなるという特質を具えている。この事実のうちに恐らくヘーゲルの哲学の秘密がある。

論理学者は論理の根柢に直観があるという。ひとは無限に証明してゆくことができぬ、あらゆる論証はもはやそれ自身は論証することのできぬもの、直観的に確実なものを前提し、それから出立して推論するといわれる。しかし論理の根柢にある直観的なものがつねに確実なものであるという証明は存在するであろうか。