轻松读懂日语经典作品
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ものをこわすのがしょうばいじけん
什器破壊業事件
海野 十三
「大洋」1939(昭和14)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,352 字 · 31 页
ほら、いまどき銀座通を歩けば、すぐぶつかるような時局柄をわきまえない安い西洋菓子のような若い女! あの人たちの表情を見習うんですな。いや、これは女性の前で、ちと失言をしたようだ」
光技は、またむらむらとしてきたものだから、何もいわずにいた。
「いいですか。向うへいったら、気をつけて、物を壊すんです。さかんに壊すんです」
「あらまあ、どうしてでしょう」向うへいったら、さかんに物を壊せ、気をつけて物を壊せといわれて、光枝はひどく愕いた。どうも帆村のなすこと云うことは突飛すぎて、常識ではついていけない気がする。
「コーヒー茶碗とか、花瓶とか、灰皿とか、スタンドとか、そういったものを、あれっとか、あらっとかいいながら、じゃんじゃん下に墜として壊してください」
「そんなことをすれば、私はすぐ馘になってしまいますわ」
「なあに大丈夫。貴女なら馘の心配はないから、どしどし壊してください」
「弁償しなくていいのですか」
「弁償なんか、心配無用です。ただ心懸けておいてもらいたいのは、行ってから二三日以内に、本棚のうえにおいてある青磁色の大花瓶を必ず壊すこと、これはぜひやってください。