轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なにもの
何者
江戸川 乱歩
「時事新報 夕刊」時事新報社、1929(昭和4)年11月28日~12月29日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 38,449 字 · 77 页
五、逮捕された黄金狂
この人は主人もいない家へ、しかも今時分このなりで、何をしに来たのであろう。
彼は私の姿に気づくと、ギョッとした様に立止まったが、見ると、どうしたというのであろう。シャツ一枚で跣足の上に、腰から下がびっしょり濡れて泥まみれだ。
「どうしたんです」
と聞くと、彼はきまり悪そうに、
「鯉を釣っていて、つい足を辷らしたんです。あの池は泥深くってね」
と弁解がましく云った。
五、逮捕された黄金狂
間もなく私は、再び弘一君の病室にいた。母夫人は私と行違いに帰邸し、彼の枕下には附添の看護婦が退屈そうにしているばかりだった。私の姿を見ると、弘一君はその看護婦を立去らせた。
「これだ、君の推察通り、花壇にこれが埋めてあった」
私はそう云って、例のサックをベッドの上に置いた。弘一君は一目それを見ると、非常に驚いた様子で、
「アア、やっぱり……」と呟いた。
「やっぱりって、君はこれが埋めてあることを知っていたのかい。だが、女中に聞いて見ると、常さんの老眼鏡のサックだということだが、常さんが何故自分の持物を埋めなければならなかったのか、僕にはサッパリ分らないのだが」
「それは、爺やの持物には相違ないけれど、もっと別の意味があるんだよ。