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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
「娑婆の空」というのは、その丸儲の新しい命で再び娑婆の空を見るというのである。この句も「まる儲ぞよ」というような俗語を使ったり、「娑婆の空」と言ったりするところが特色である。
桜へと見えてぢん/\端折かな 一茶
「ぢん/\端折」というのは裾の後の中央を取って、帯のところにからげるのをいうのである。人がその「ぢん/\端折」をして歩いているのは、花見に行っているのと見えるというのである。「ぢん/\端折」というようなことを、平気で俳句に使用したのは恐らく古今を通じて一茶一人であろう。
白壁の誹られながらかすみけり 一茶
権門の白壁が遠く小高いところに見えて霞んでおる。人はその白壁を見る度にその横暴を悪むのであるが、壁は一向御存じなしに誹られながらも霞んでおるというのである。この諷刺も一茶の句に散見するところの一特色である。維新前徳川太平の時代の水呑百姓にしてこの硬骨の漢あり、世に容れられなかったのも無理からぬことである。
馬までもはたご泊や春の雨 一茶
これも身分のある人の旅を諷したもので、あの人たちは贅沢を極めて旅籠に泊る、人ばかりでなく――供廻りばかりでなく――馬までも旅籠に泊るというのである。