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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
五節句の中で、雛祭りという時候の関係からいっても、華美な艶麗な感じで聯想さるる。紅白粉をつけて美しく著飾っている女の子を聯想する。のみならず、雛そのものが極めて濃艶なものに出来ている。雛店というと、目の前に描き出されるのは直ちに店一杯真赤な色をしている、その赤い中に、金色もあれば、青色もあり、紫色もあり、白色もあり、紅紫燦爛、人目を眩するような感じである。更に眼を定めてよく見ると内裏様もあれば、官女もあり、五人囃子もあり、衛士もあり、小町姫もあり、また雛道具としては箪笥、両替、膳、鏡台、ボンボリ、屏風、各形を為して種々雑多のものである事がわかる。東京あたりの雛店は、殊に十軒店とか両国とかいう専門的の雛店は雛人形、雛道具しか並べておらぬ。交ぜ物なしである。しかし東京でも専門的でない、平生オモチャ店であるのが、節句前になって急に雛店に変ずるというような所は、片隅になお多少のオモチャが割拠している。京都あたりでも専門的でないのは恐らく東京などと同じ事であろう。かような店があるとしてさてこの句の解に立入るとしよう。雛店に彷彿として毬かな。毬を「てまり」と読ますつもりであろう。