轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

びぜんめいきゅうでん

備前名弓伝

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1946(昭和21)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,649 字 · 50 页

青空文庫

――的は草鹿というもので鹿の首の形に檜板をけずり表に牛の皮を張る。皮と裏板との間には綿が縫い込んである。また皮の表には径し四寸の的を書き、そのほかのところに大小の星を二十三、栗色の地に白く塗り出すのが作法だ。――これは懸け枠といって、的串を左右に立て、蝉の緒という二重に搓った綿紐で吊っておくのである。矢頃は十三丈というのが古法だった。光政の第一矢は、四寸の的に外れた。

「三之丞、この弓を申付ける」「はっ、さようなれば、恐れながら弓を持参仕りまする」「許す、余の弓をもって射よ」弓を渡されたので、押戴いて受取り、矢を取って立上った。

光政の弓は五人張りと云われている。だいたい光政という人は非常な力持ちであった。三之丞は二人張りが限度で、あまり強いものは用いていないから、その強弓をこなせるかどうかも疑問であった。――どうするか。光政がじっと見ていると、ややしばらく的を睨んでいた三之丞、やがてしずかに矢をつがえ弓をあげた。身構えも尋常、呼吸をはかってきりきりきり、微かに巻き籐をきしませながら満月の如く引き絞った。すこしも、力に余る強弓を引くように見えない。