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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
石畑一登という子は一里半はなれた上原という田舎の農家から庄原の学校に通っていた。これは私の小さな競争者であった。先生もクラスメートもおのずと二つのファンに分れる位であった。この子は私より気象鋭くしっかりとしていた。漢文まじりの文章を書き、非常に字がうまかった。字ではかなわなかった。先生たちはしかし純な、素直な私の方を愛していてくれたように思う。石畑君には圭角が子供ながらもう芽ばえていた。
新任の校長がやはり同級の或る可愛らしい、才はじけた子をひいきした事があった。石畑君は教室で校長さんに皮肉を言った。私は胸がすく気がした。がそれ以来石畑君は校長ににくまれていた。が石畑君は私だけは認めていてくれた。私は内心恐れをなしていたが、向こうでは私に一歩譲っていた。
私たちはこの新任の校長に小さな敵愾心を燃やしていた。冬になると雪の深く積む私たちの学校では教室に大きな「いろり」のような火鉢が出た。そのまわりで小さな口々に反感が述べられた。皆が同じように感じてるのには驚いた。すると或る日受持ちの田辺先生というのがふとまわって来て、
「校長がすっぱく(方言)でやりきれん」