轻松读懂日语经典作品
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しじゅうふわく
四十不惑
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1952(昭和27)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,633 字 · 26 页
「ないよ。そんなものは」
「それじゃあなたこそ押売じゃありませんか? もぐりよ、免状なしで教えるのは」
「もぐりはひどいな。おれはお前から是非と頼まれたから、厭だけれど教えているんだ」
「余りお厭のようでもないようですわ」
「厭だよ」
「そんなことよりも、私は是非教えたいんですから、是非と頼んで下さい。私もあなたのお顔を立てゝ上げたんですから」
「それは理窟が違いはしないかい?」
「違いません」
「おれは教えたくはなかったんだが、お前の顔を立てゝやったんだ」
「いゝわよ、もう。私、自分で申しますから、あなたは妨害だけしないで下さい」
「妨害なんかしない。希望かどうかと思って、それをいっただけだ。おれが話すよ」
「お勧め下さい。もし駄目なら、あなたの責任よ。よくて? あなたは私のお茶というと頭から馬鹿にしていらっしゃるんですから」
「どうもお前は無理だ」
と言ったけれど、僕は主張しなかった。お互に声が高くなると女中に聞える。
英文タイピストが茶道に興味を持っているかどうか分らない。弟子入りをしなければ此方の責任だというのだから無理だ。兎に角と思って、僕は或日の帰りに、
「小柴さん、どうですか? 日比谷まで附き合ってくれませんか?」