轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちはゆたかなり

地は饒なり

宮本 百合子

「中央公論」1918(大正7)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,874 字 · 57 页

青空文庫

ところが或る晩、王様がよく眠っているところへ来て、しきりに起すものがある。びっくりして王様が剣へ手をかけながら起き返っていると、裾の方に、だんだら縞の着物を着た一寸法師が揉手をして、お追従笑いをしながら立っている。

『お前は、一体何者だ、夜中に何の用がある』

王様は少し安心して訊ねた。

『ハイ、私の無上に尊い王様、私奴は陛下のお耳のことにつきまして上りました』

一寸法師は、一層腰を低くしながら云った。

『何? 儂の耳のことで来た? そうならなぜ真先にそう云わん。さ、もっと近く来い、寒くはないか……』

『有難うございます、陛下。実は真にいい考えが浮びましたので、一度はお耳に入れて置きたいと思って上りました。御免下さいませ』

一寸法師は、王様の白貂の寝衣の肩へ飛び乗った。そして、真黒な穴へ、何か囁くのを聞いているうちに、王様の顔は、だんだん晴々として来た。

『ホホウ、これは妙案だ、フム、実に巧い!』

『いかがでございます、陛下』

『実に妙案だ、さぞそうなったらうるさくなくて気が楽じゃろうてハハハハハハハ』

『ヒヒヒヒヒヒヒヒ』

一寸法師はどこかへ消えてしまった。

翌日、総理大臣が来ると、陛下は早速書物机の上から、羊皮紙へ立派に書いた、新らしい詔を取って、