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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

私たちは、また、狭くるしい魚雷型潜水艇の中に、横になった。

「出発します」

洞窟の壁がうごきだした。窓の外を、鱶がさっと通りすぎた。間もなく窓外は、まっくらとなった。三角暗礁を出たのである。

「全速力だ。そして、いつものところへつけるのだ。東京港の潜水洞へ!」

艇は、おいおいと速度をあげていった。海流にぶつかり加速度が不意に落ちると、ずきずきと頭痛が始まった。この潜水艇による大渡洋は、なかなか骨が折れる。

暫くいくと、水中聴音器から、気味のわるい振動音が聴えてきた。それは、いけばいくほど激しくなってきた。

「爆雷のようだが……」

私は、透過式の電子望遠鏡をひきよせて、はるかに音のする海底を見やった。

「ああ、爆撃だな、すると、あそこは、米連主力艦隊の位置であろう」

私は、電子望遠鏡を調整して、海面から上を覗いた。

「おう、やっているな。これは、空前の大激戦だ!」

なんたる壮観! 空中には、何千機とも知れず、さまざまの形をした飛行機が、入り乱れて闘っていた。そのあたり一帯は、無数の小さい雲の塊のようなものがとんでいる。それは、真下にあえいでいる米連主力艦隊が、必死となって撃ちあげている角砲の硝煙であった。