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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

米連側は、艦載の快速戦闘機をもって、対抗しているらしいが、見たところ、欧弗同盟軍の方が優勢らしい。米連の艦隊は、煙幕の中に隠れているが、その半数は爆撃のため損傷をうけ、傾いている。惨状は、目を蔽いたいくらいだ。その中に、旗艦ユーダ号が、なおもひらひらと司令長官旗を掲げ、陣頭に立っているのは、むしろ悲壮な感じがした。この様子では、ピース提督も、間もなくユーダ号とともに、海底に沈んでしまうことであろう。

私は、両軍の大死闘をもっと見ていたかったが、それよりも祖国のことが心配になるので、興味あるその戦場を、ほんの十数秒の間にすりぬけてしまった。

それから一時間ばかり経った。もうそろそろ、東京港のシグナルが聞える筈であった。が、一向に、それが聞えない。そのうちに、潜水艇が急に速度をおとしてしまった。

「どうした、オルガ姫」

「たいへんです。東京港の潜水洞があった場所まで来ましたが、肝腎の潜水洞が見えません」

「場所がちがっているのではないか、よく探してみろ」

「いいえ、間ちがいなく此処なんです」

ああ日本国消滅か――潜水艦の針路を北へ修正した

東京港のシグナルもきこえなければ、艇をつけるべき潜水洞も見あたらない。