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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
上半身を起そうと思って、床を両手で突っ張ったが、私の肩は、床の上に癒着せられたように動かなかった。
「畜生!」
私は思わずうめいた。うめいても、所詮、だめなものはだめであった。
「あまり、無理なことをしないがいいよ」
とつぜん私の頭の上で、太い声がした。
(あっ、彼奴の声だ。怪しい闖入者の声だ!)
私は歯をくいしばった。
「無理をしないがいいというのに、君は、分らん男だなあ」
闖入者は、腹立たしいほど落着き払っていた。
「き、貴様は、何者か!」
「ふふん、わしの姿を見たいというのか。よし、今そっちへ廻って、わしの姿を、見せてあげよう」
闖入者は、そういうと、また重々しい足を曳きずって私の顔の方へ廻った。
「どうだ、これで、見えるだろうね、わしの姿が……」
見えた!
同時に、私は、愕きのあまり、気が遠くなりかけた。
怪異の姿の人物!
私は、これまで、そのような怪異な姿の人物を見たことがない。だから、何といって、これを説明してよいか分らない。――全身を高圧潜水服と中世紀時代の鎧とをつきまぜたようなもので包んでいる。頭のところには、非常に大きな球状の潜水帽のようなものがある。