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キリストしんとのなぐさめ

基督信徒のなぐさめ

内村 鑑三

明治二十四年四月十九日いわゆる……「基督信徒のなぐさめ」警醒社書店、1924(大正13)年2月25日改版<br>“If I can put……「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1896(明治29)年12月1日<br>自序「基督信徒の慰」警醒社、1893(明治26)年2月25日<br>第二版に附する自序「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1893(明治26)年8月14日<br>回顧三十年「基督信徒のなぐさめ」警醒社、1923(大正12)年2月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,320 字 · 100 页

青空文庫

世界とては詩人の夢想に読みしかど、また牧師の説教に聞きしかど、余が心中には実在せざりしなり。

余の国人に捨てられしよりは然らず、余の実業論は何の用かある、誰か奸賊の富国策を聴かんや、余の教育上の主義ならびに経験は何かある、誰か子弟を不忠の臣に委ぬるものあらんや、余はこの土に在てこの土のものにあらず、この土に関する余の意見は地中に埋没せられて、余は目もなき口もなき無用人間となりたり。

地に属するものが余の眼より隠されし時始めて天のものが見え始まりぬ、人生終局の目的とは如何、罪人は罪を洗去るの途あるや、如何にして純清に達し得べきか、これらの問題は今は余の全心を奪い去れり、しかして眼を挙て天上を望めば、栄光の王は神の右に坐するありて、ソクラット、保羅、コロンウェルの輩数知れぬほど御位の周囲に坐するあり、荊棘の冠を頂きながら十字に登りし耶蘇基督、未来を論じつつ矢鳩答毒を飲みしソクラット、異郷ラベナに放逐されしダンテ、その他夥多の英霊は今は余の親友となり、詩人リヒテルとともに天の使に導びかれつつ、球より球まで、星より星まで、心霊界の広大を探り、この地に決して咲かざる花、この土にいまだ見ざる玉、聞かざる音楽、味わざる香味、余は実に思わぬ