轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かわる
変る
豊島 与志雄
「知性」1942(昭和17)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,972 字 · 14 页
ふだんから考えていなければ、いざという時には間に合いません。」
「然しとにかく現在は銃後ですよ。銃後はみな一心同体、東京も札幌も鹿児島も同じだし、日本も満洲も同じですからね。その一心同体が、この大戦争を遂行しているのではありませんか。」
大五郎には、それがはっきりしなかった。腑におちない顔付で、ウイスキーのグラスをあけた。
「然しですな、満洲は新興の国ですよ。そのことを話しかけても、なぜ誰もそっぽを向くんですか。憤慨にたえません。」
声が大きいので、客の二三人が振向いて眺めた。村井はにやりと笑った。
「相変らずやっていますね。」
大五郎は気勢をそがれて口を噤んだ。
「まだあちこちで、満洲をもちだしているんですね。今晩はどこで飲みました。」
何もかも見ぬいているように、眼で笑っていた。
大五郎は何か重大なことを思い出そうとしてるようで、自分でもそう感じて、黙っていたが、ふいに、村井へ顔を近々とさし寄せて、囁いた。
「まだ、さっぱり見当りませんよ。」
村井が反対に声高く笑った。それから、低いが力強い調子でいった。
「それがいけないんだ。」突然ぞんざいな言葉になっていた。