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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
「あ、あぶない。運転士、すぐ左旋回で、うしろへひっかえせ!」
ケレンコが、さけんだ。
「は、はい」
「はやくハンドルをまわせ。ぐずぐずしていると、みんなこっぱみじんになるぞ。敵の爆弾が、近くの海面におちはじめたんだ!」
「は、はい!」
運転士は、力一ぱいハンドルをまわした。
だが、そんなことで爆弾からにげさることはできなかった。すぐ頭のうえに、ものすごいやつが落ちてぱっと爆発した。あっと思う間もなく、三人ののった水中快速艇は、まるで石ころのように、海底をごろごろところがって、はねとばされた。もちろん三人が三人とも、しばらくは気がとおくなって、どうすることもできなかった。
「うーむ」とうなりながら、ケレンコが気がついたときは、彼ののっていた快速艇は、みにくくうちくだかれ、頭を海底の泥の中につきこんでいた。
あたりを見まわしても、太刀川の姿が、見えない。
(逃げたかな)と思った、ケレンコは、
「運転士」とよんだ。
すると、かすかなうなり声が、運転台からきこえた。
「司令官閣下もうだめです。快速艇は、うごかなくなりました。どうしたらよいでしょう」
「心配しないでもよい。