轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
お書きとり下さい」
「よし、こっちの準備はできている。さっきから、君の話は、すべて録音されているのだ。では、はじめたまえ」
太刀川時夫は、早口に語りはじめた。海面は、すぐ目の下に見える。あと百メートル足らずだ。波は白く泡をかんで、ただ一箇所、例の大海魔がもぐったあたりが、灰色ににごっているだけである。あわてさわぐ客をしり目に、太刀川青年は、海魔について自分の見たところを、できるだけくわしく報告した。そして彼は最後に、共産党太平洋委員長ケレンコと、潜水将校リーロフのことを、つけ加えることを忘れなかった。
「おおケレンコにリーロフか。二人とも○○国には、もったいないほどの優秀な人物だ」
と、原大佐は思わず、おどろきの声をあげた。
「僕は会ったことがある。二人とも、我々が注意していた人物だ。太平洋上へ落ちたとすれば、たぶん命は助るまいが、けっして油断はならない。太刀川君、飛行艇の寿命はあと数分のようだね。だが早まってくれるな。祖国のため、どんな苦しいことがあっても命を大事にしてくれ。そして、ケレンコとリーロフの消息には、これからも、気をつけていてくれ。その中こっちからも、誰かを……」