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じょせい

女婿

佐々木 邦

「主婦之友」1925(大正14)年9月~11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,954 字 · 43 页

青空文庫

「他人行儀という次第ではありませんが、私の立場を察して下さい。電話が御入用なら里のを借りれば宜いじゃありませんか? 何うせ毎日いらっしゃるんですから」

と清之介君は理を分けて頼んだ。

「私、毎日は参りませんよ」

と里へ行っていて呼び戻されたのを根に持っている妙子さんは覚えず声を筒抜けさせて、

「他人行儀ですとも。あなたのように水臭い人はありませんわ。私が里へ行くのがお気に召さないなら、何故直接に仰有って下さらないんです?」

「申上げる必要もないじゃありませんか? 元々何とも思っていませんもの」

「何とも思っていない人が児島さんに頼んで母に言わせますの? あなたは行き詰まるとすぐに嘘を吐くのね? 男らしくもない」

と妙子さんは益※(二の字点、1-2-22)雄弁になった。

「まあ/\妙子さん、気を静めてお聴き下さい」

とまでは口へ出しても、清之介君は斯う局面が開展して来ると、後が続かないから切り込まれるばかりだ。

「御自分だって会社の帰りに勝手なところへお寄りになるじゃありませんか? 私がそれを彼れこれ申しましたか? 御自分のことは棚へ上げて、何です? 私は今夜あなたのお蔭でお母さんに叱られて来たんですよ。