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あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页

青空文庫

日本では政事を「まつりごと」と言う。政治と祭祀とが密接に結合していたからである。これはおそらく世界共通の現象で、現在でも未開国ではその片影を認めることができるようである。祭祀その他宗教的儀式と連関していろいろの巫術魔術といったようなものも民族の統治者の主権のもとに行なわれてそれが政治の重要な項目の一つになっていたように思われる。

そうした祭祀や魔術の目的はいろいろであったろうが、その一つの目的はわれわれ人間の力でどうにもならない、広い意味での「自然」の力を何かしら超自然の力を借りて制御し自由にしたいという欲望の実現ということにあったようである。たとえば、五穀の豊饒を祈り、風水害の免除をいのり、疫病の流行のすみやかに消熄することを乞いのみまつったのである。かくして民族の安寧と幸福を保全することが為政者の最も重要な仕事の少なくも一部分であったのである。

この重要な仕事に連関して天文や気象に関する学問の胚芽のようなものが古い昔にすでに現われはじめ、また巫呪占筮の魔術からもいろいろな自然科学の先祖のようなものが生まれたというのは周知のことである。このように「自然」