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しょうねんとあきのひ
少年と秋の日
小川 未明
「児童文学」1935(昭和10)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,765 字 · 6 页
中にも、うす紅色のコスモスの花がみごとでした。縁側の日当たりに、十ばかりの少女が、すわって、兄さんの帰るのを待っていました。その子は、病気と思われるほど、やせていました。しかし、目は、ぱっちりとして、黒く大きかったのでした。
兄さんは、ポケットから、りゅうのひげの実を出して妹にやると、
「まあ。」といって、顔を上げて、喜びました。正吉くんは、なんとなく、この兄妹の仲のいいのがうらやましくなって、自分もいつか微笑んで、二人のようすをながめていました。
「新しい、お友だちをつれてきたのだよ。」と、兄は、妹にいいました。
「これから、ときどき、遊びにきてもいい?」と、正吉くんが、ききました。
「ええ、道をよくおぼえていて、いらっしゃいね。」と、少女は、答えました。
三人は、その日のよく当たる縁側で、りゅうのひげで、おはじきをしました。
あちらの壁に、海を描いた、油絵がかかっていました。白い鳥が、波の上を飛んでいました。正吉くんは、どこかで見たような景色だと思いました。あるいは、自分が生まれる前の世界であったかもしれません。そのそばに、マンドリンがかかっていました。