轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页

青空文庫

午前二時である。

朝、全員集合。テニスコートにならんで人員点呼を行った。総数五百十名に達している。そこへ、総領事が、あたらしい収容所長をつれてやってきた。総領事の簡単な挨拶が終ると、すぐ所長から今後の処置についての注意があり、正式に各自の任務と部署に就くことになった。十時に朝飯の配給があり、握り飯一人あて二個、副食物は十人一組に缶詰二個である。まもなく庭には四ヶ所にテント小屋が建てられた。門の横の衛兵所にはアメリカの憲兵とフィリピンの兵士が詰めかけている。パサイの警察に邦人の婦女子が六名監禁されているという報告が入ったので、衛兵と交渉の上、数人の代表者を出して貰い受けの折衝をすることになった。朝から、テントの俄か事務所では庶務係が人員名簿作製に着手している。炊事班は大工の心得のあるもの十余名を選びだして握り飯配給用の木箱をつくることになった。私は前の晩の夜警で疲れているので午後から二、三時間芝生の上で眠った。

電灯が点かないので、日没と同時に収容所の中はたちまち真っ暗になってしまう。それに夜が更けるにつれて気温がぐっと下ってくるのだ。夜警をしていると何時の間にか上衣からズボンまで夜露でしっとりと濡れている。