轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页

青空文庫

「とにかく、死を決してやったんだからね、尋常一様の覚悟じゃないにきまっているよ」

内狩が眼をパチパチとうごかすと、

「だけど君」

と、片肘で上体を支えながら畳の上に寝そべっていた洋画家の八代がむくむくと起きあがった。「これ以上がんばったらいよいよ彼等は悲境に陥るだけじゃないか、――僕は悲しむ、壮烈なる彼等の決心のために」

「それがまだどうなるかわからないんだよ、正規軍にしたところで、唯遠巻きにしているというだけでこっちから手を下すというわけにはゆかないからな」

内狩はそう言ったあとで急に沈痛な表情になって、

「ときすでにおそしだ」

と低い語調で言った。「――やるなら昨日のうちさ、それをほっといて、時をすごしていたのがいけないんだ、やっぱり彼等の失敗は機会をうしなったというところにあるんじゃないか、例えば明智光秀が本能寺を攻めたときだって」

内狩の智識の出所は近ごろ彼の愛読している『太閤記』であったが、しかし、この雰囲気の中では誰も彼の卓抜な意見に耳をかたむけようとしていた。

「ねえ、――やっぱり僕はそう思うよ、本能寺を陥れた光秀が何故京都あたりでいい気になって戦勝の夢に酔い中国からひっかえしてくる秀吉の軍勢に備えようとしなかったかというんだ」