轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页
二
踊り狂う人々の群れが幾つとなくわたしの前を通り過ぎた。そのとき、わたしの歩いてゆく街の右側に古い寺の門があった。門の前の空地には、そこだけ群集の波を避けた薄闇の中で環をつくって騒いでいる一団があった。頬かむりをした一人の女が、ぐるりに集った酔っぱらいどもの卑猥な歌に合せて踊っているのだ。女がわざとらしい嬌態を見せるごとに賤しい笑い声が起った。
それが叔母であった。――おお、そのときほどにわたしは人間の痛ましい運命を見たことはない。彼女のそれではなくして彼女の悪しき情慾のために滅ぼされた叔父の運命を――。哀れな叔父よ。叔父の半生が示した凶兆はわたしの心の底に何かしら恐しい不安を植えつけた。
二
その頃、わたしは中学に通うために岡崎の町に下宿していたので、ときどき帰省するときのほかは郷里の家との交渉はほとんどなくなっていた。それだけに休暇が来て帰るごとに家の中のあらゆるものの上に現われた変化が著しく眼についた。
事務室の横にある父の居間から、曲りくねった長い廊下が母家の廻り縁に続いていた。その長い廊下にかこまれて、形の美しい飛石がまん中の石灯籠を境に庭木の間を縫って十文字に道をひらいている中庭があり、中庭の背ろの納屋に続いた潜り戸をあけると雑木林が左右に枝をからみ合せていたので、其処に立つとちょうど洞穴の入口