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みんざんのいんし

岷山の隠士

国枝 史郎

「大衆文芸」1926(大正15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,095 字 · 19 页

青空文庫

呉※(「竹かんむり/均」、第3水準1-89-63)の許へ勅使が立った。

出て行かなければならなかった。

「おい、お前も一緒に行きな」

「うん、よし来た、一緒に行こう」

李白は早速行くことにした。

やがて二人は長安へ着いた。

長安で賀知章と懇意になった。

賀知章は李白を一見すると、驚いたようにこう云った。

「君は人間なのか仙人なのか?」

「どうもね、やはり人間らしい」

「仙人が誤って人間になると、君のような風采になるだろう。君は謫せられた仙人だよ」

「まあさ、見てくれ、謫仙人の詩を」

李白は旧稿を取り出して見せた。

賀知章はすっかり参ってしまった。

「素晴らしい物を作りゃアがる。こいつちょっと人間業じゃアねえ。君のような人間に出られると、僕の人気なんかガタ落ちだ。だがマアマア結構なことだ。御世万歳、文運隆盛、大いに友達に紹介しよう」

「話せる奴でもいるのかい?」

「杜甫という奴がちょっと話せる」

「聞かないね、そんな野郎は」

「だが会って見な、面白い奴だ。だがちっとばかり神経質だ」

「そんな野郎は嫌いだよ」

「まあまあそういわずに会って見なよ。君とは話が合うかもしれない。