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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

在线阅读柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 页

青空文庫

それでこのようなたわいもないことから、入って行こうとするのである。

見返り婆さん実はミカリまたは、ミカワリバアサンだったらしいことを知って、私ははっとした。というわけは東京の近く、入海を隔てて対岸の上総と安房とでは、今でも十一月下旬に始まる物忌の期間を、ミカリまたはミカワリといっているからである。通例この期間は十一月の二十六日から始まり、終りははっきりしないが少なくとも一週間以上はつづいている。神社によってはそれをまだやかましくいうものがあり、少なくとも物固い本家筋の旧家などでは、誰が何と言おうともこれを守っている。ただその個条が主として不行為すなわち謹慎である故に、外から見ていては目に立たぬだけである。

この名称の本意は不明となり、従っていろいろの新たな解説、たとえば神様が狩猟をなされる期日だから、これをミカリと呼び、静かにして妨げにならぬようにするのだなどともいい、それと打合うような行事も少しは生まれているが、神御自らの狩ということは少しおかしく、また家々の慎しみの種類とも結びつかない。たとえば髪を結ってはならぬなどということは、少しもお猟の邪魔にはならないのである。