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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
在线阅读柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 页
六月朔日の雪
それにはもう一足、遠く外へ出て振りかえって見るのがよい。近頃二三の学者が何かというと、いや南洋型だのアイヌ式文化だのというのを聴いて、私は今あきれかえっているところである。それではこの永い数千年の間、果して日本人は何をして暮していたというのであろうか。
六月朔日の雪
八木某氏か昔は寒かったという証拠に「六月の雪」を引かれたに就いて、郷土研究記者が悪口を言われたのは是非もないことであったが、これに関する同記者のお考えを承わらぬのは物足らず思う。武州比企郡高坂村大字岩殿の岩殿観音の寺伝に曰く、坂上将軍東征の時、この御堂の前に通夜し悪龍を射斃したことがある。頃しも六月の始め、金を蕩す炎暑にたちまち指を落すばかりの寒気起り、積雪尺に余りしを以て、人夫燎を焼いて雪中の寒気を凌いだ。今この近郷六月朔日に燎火を焼くはその時の名残である云々(新編武蔵風土記稿百九十一)。
上州碓氷郡豊岡村不動堂の縁起に曰く、八幡太郎この地の山窟に安倍の残党を退治せられた時、自分は火性で本年は水性なれば、寺僧をして増歳の祭をなさしめた処、翌六月朔日不思議にも雪一重降って川岸の松の葉が白かった。