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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「おお一彦君にミチ子ちゃんじゃないか。どこに行ったのかと思って、おじさんは心配していたところだよ」
そういう声とともに、兄妹の肩をやさしくたたいた人がありました。
「あっ、帆村おじさんだわ。おじさん、いつここへいらしたの」
「ああおじさん、とうとうやって来たねえ。僕、なんだかおじさんが来るような気がしていたよ」
「ああそうかそうか」
おじさんはにこにこ顔です。
兄妹のおじさんて、誰だか皆さん御存じでしょうね。あの有名な青年探偵の理学士帆村荘六氏です。
「ねえ、おじさん。あの軍艦が坐礁したり、檣が曲ったことについては、なにか恐しいわけがあるんだろう」
と、一彦が遠慮のない問をかけますと、帆村探偵は口をきゅっと曲げて、
「うん、それについて君たちの力を借りたいことがあるんだよ。君たちは、向こうの丘の上に建っている塔のことについて、なにか知らないかね」
といって、帆村ははるか向こうを指さしました。
「おじさん、塔って、どこにあるの」
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「どこといって、あの塔のことさ。ここから大分とおいから、君たち気がつかないのか」
帆村の指さす方を兄妹がよく見ますと、なるほど丘のかげに一つの塔らしいものが見えます。