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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
あとには四機の偵察機が、はなればなれになって、九十九里浜の上空を、いつまでもぶんぶんと飛びまわるのでありました。
「ははあ、上空からこのへん一帯を警戒しているのだよ」
「兄さん、たいへんなことになって来たわねえ」
ミチ子は目をまるくして、一彦の腕をしっかとおさえていました。
しかし、まだこの浜べのさわぎは、ほんの始りだったのです。おひるごろになると、どこから来たのか、駆逐艦だの、変な形をした軍艦とも商船ともわからない船だのが、およそ十隻ほども集ってきて、沖はなかなか賑やかになりました。
帆村探偵
1
さわぎはますます大きくなって、午後になると陸戦隊がボートにのって、浜べにつきました。そしてただちに警戒につきました。
沖合には、坐礁した大戦艦淡路が傾いており、そのまわりには大小いろいろな軍艦がぐるっととりまき、空には尻尾を赤く塗った海軍の偵察機が舞い、それを背景にして、浜べには陸戦隊が銃剣をきらめかして警戒をしているのです。
しずかなほんの漁村にすぎなかったこの海べの村は、一夜のうちにたちまち姿をかえて、まるで戦場のようなさわぎになってしまいました。