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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
ちょうど長距離飛行のときの、飛行士のような生活をしていたのです
だんだん疲れて来るのは、二人の怪塔王です。
『声』の怪塔王は、『顔』の怪塔王をおどすように、(もう海底にながくいられない。やがて怪塔は爆発するであろう)と言って、降参をすすめましたが、『顔』の怪塔王はいっかな降参をしようとは申しません。一体どうなることでしょう。
「おい、がんばらないで、わしのいうところに従え。この怪塔が爆発して、みんながここで死んでしまっては、何にもならないじゃないか」
と、『声』の怪塔王はなおもくどきます。
「僕は爆発なんぞ平気だ。怪塔とともに、ここで粉々にくだけてしまっていいとおもっている」
「それは無茶だ。命は一つしかない」
「貴様はそんなに命がおしいのか」
と、『顔』の怪塔王はからからと笑い、
「では、海底から怪塔をとびあがらせるがいいじゃないか」
「駄目だ。お互の、このかっこうでは駄目だ。黒人には、どっちが本当の怪塔王か見分がつかなくなっている。だから、どっちの命令を聞いていいか、わからない」
「じゃあどうすればいいのだ」
「わしの部屋から貴様が盗んだものをどうか返してくれ」