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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「ところがそうはいかないよ、一彦君」
「なぜです」
「だって、このとおり、あべこべ砲はひどく壊れているじゃないか。その上、大利根博士がどこに行ったのか、姿が見えんではないか」
4
怪塔王の持っている磁力砲を負かすことが出来そうに思われるあべこべ砲が、大利根博士の秘密室の中にころがっていましたが、残念にも、あべこべ砲は壊れています上に、それを発明した大利根博士もいないのです。
塩田大尉と一彦とは、顔を見合わせてため息をつきました。
「なんとかして大利根博士を、早く見つけるより仕方がない」
「そうですね、博士はこんな大事な機械をここへおいて、どこへいってしまったのでしょうね」
といったとき、はっと一彦が思い出したものがあります。それは、外からつづいていたあの気味のわるい血のあとのことです。
(そうだ。あの血のあと! あれはこの部屋へつづいていたが、どうなっているのかしら)
一彦は、少年探偵気どりで、血のあとをしらべにかかりました。
血は、この部屋にはいると、たいへんたくさん床の上にこぼれていました。それは、床の上になにかひきずっていったように、条になっていました。