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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
よしよしわかった。それじゃ、もう一口水筒の水をごちそうになる。いやどうもすまん」
兵曹長は、ひとり芝居をやりながら、また水筒の水をがぶがぶとのみ、とうとう水筒をからにしてしまいました。よほどのどが乾いていたようです。むりもありません。昨日からの兵曹長の奮闘ぶりといい、そして今またこの暑さです。
2
「なんしろ暑い。ここはどこなんだろう」
と小浜兵曹長は、座席から下りて、飛行機の陰にはいりました。
「ああ、壊れていらあ。翼がめちゃめちゃだ。よく働いてくれた愛機だったが、もうどうにもならん」
愛機は、怪塔王の磁力砲にうたれたり、暴風雨に叩かれたり、無理な着陸で翼を折ったり、さんざんな目にあいました。
水をうんとのんだので、兵曹長はたいへん元気づきました。さらに座席の下から、航空用食料をとりだして食べましたので、いよいよ兵曹長は大元気になりました。
「さあ、元気になった。ところで、電話のある家をさがそう」
兵曹長は腰をあげ、壊れた飛行機の下から出ました。
小手をかざして、附近をじっと眺めていた兵曹長は、
「ここは一体どこだろうか。たいへんさびしい海岸だな」