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あくまのでし
悪魔の弟子
浜尾 四郎
「新青年」1929(昭和4)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,202 字 · 51 页
あの茶さじで多分のんだんでしょうが、実に乱暴な事をしたもんさね、無論駄目です、心臓が停っています」
私は直ちにすえ子の身の上に何か起った事をさとりました。驚く人々をはねのけて、勝手知った座敷の中に飛び込んだのです。
土田さん、私が其処に何を見い出したか、無論お判りでしょう。
燃えるような夜具の下に、美しいすえ子は白い彫像のように、眠ったように仆れて居ます。彼女は完全に仰向いて右手を畳の上に出していました。
我に返った時、私は側に立っている男に胸倉を取られていました。
「君は誰だ?」
「僕はこの女をしってるもんだ」
こう答えながらも、私はすえ子の死体をなめずるように見入っていたのです。
私は、考えに考えた殺人の方法の結果をここに見い出したのです。
私は不思議にもこの時、愛する者を失ったという悲しみは全く感じませんでした。
ただただ、自分を喜ばす不思議な肉塊を目の前に見たのみです。而も自分が計画に計画した其の結果です。
こう思うと私は何だかたまらなくなって来ました。胸がむかむかとして来ました。そうして思わず大声で叫びました。
「間違いじゃない? 殺されたんだ。