轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるおんな
或る女
有島 武郎
2(後編)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 205,655 字 · 406 页
それが出て行けがしの仕打ちのように葉子には思えば思われた。
「どこか掃除の済んだ部屋があるんでしょう。しばらくそこを貸してくださいな。そしてここもきれいにしてちょうだい。部屋の掃除もしないでぞうきんがけなぞしたってなんにもなりはしないわ」
と少し剣を持たせていってやると、けさ来たのとは違う、横浜生まれらしい、悪ずれのした中年の女中は、始めて縁側から立ち上がって小めんどうそうに葉子を畳廊下一つを隔てた隣の部屋に案内した。
けさまで客がいたらしく、掃除は済んでいたけれども、火鉢だの、炭取りだの、古い新聞だのが、部屋のすみにはまだ置いたままになっていた。あけ放した障子からかわいた暖かい光線が畳の表三分ほどまでさしこんでいる、そこに膝を横くずしにすわりながら、葉子は目を細めてまぶしい光線を避けつつ、自分の部屋を片づけている女中の気配に用心の気を配った。どんな所にいても大事な金目なものをくだらないものと一緒にほうり出しておくのが葉子の癖だった。葉子はそこにいかにも伊達で寛濶な心を見せているようだったが、同時に下らない女中ずれが出来心でも起こしはしないかと思うと、細心に監視するのも忘れはしなかった。