轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゃよう

斜陽

太宰 治

「新潮 第四十四巻第七号~第十号」1947(昭和22)年7月1日~1947(昭和22)年10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,822 字 · 176 页

青空文庫

と笑いながら言うつもりであったが、言っているうちに、つらくなって、わっと声を挙げて泣いてしまった。

「毎日いそがしくて、疲れるでしょう。看護婦さんを、やとって頂戴」

と静かにおっしゃったが、ご自分のおからだよりも、かず子の身を心配していらっしゃる事がよくわかって、なおの事かなしく、立って、走って、お風呂場の三畳に行って、思いのたけ泣いた。

お昼すこし過ぎ、直治が三宅さまの老先生と、それから看護婦さん二人を、お連れして来た。

いつも冗談ばかりおっしゃる老先生も、その時は、お怒りになっていらっしゃるような素振りで、どしどし病室へはいって来られて、すぐにご診察を、おはじめになった。そうして、誰に言うともなく、

「お弱りになりましたね」

と一こと低くおっしゃって、カンフルを注射して下さった。

「先生のお宿は?」

とお母さまは、うわ言のようにおっしゃる。

「また長岡です。予約してありますから、ご心配無用。このご病人は、ひとの事など心配なさらず、もっとわがままに、召し上りたいものは何でも、たくさん召し上るようにしなければいけませんね。栄養をとったら、よくなります。