轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゃよう

斜陽

太宰 治

「新潮 第四十四巻第七号~第十号」1947(昭和22)年7月1日~1947(昭和22)年10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,822 字 · 176 页

青空文庫

ご診察が終って、

「肺炎になるかも知れませんでございます。けれども、肺炎になりましても、御心配はございません」

と、何だかたより無い事をおっしゃって、注射をして下さって帰られた。

翌る日になっても、お母さまのお熱は、さがらなかった。和田の叔父さまは、私に二千円お手渡しになって、もし万一、入院などしなければならぬようになったら、東京へ電報を打つように、と言い残して、ひとまずその日に帰京なされた。

私はお荷物の中から最小限の必要な炊事道具を取り出し、おかゆを作ってお母さまにすすめた。お母さまは、おやすみのまま、三さじおあがりになって、それから、首を振った。

お昼すこし前に、下の村の先生がまた見えられた。こんどはお袴は着けていなかったが、白足袋は、やはりはいておられた。

「入院したほうが、……」

と私が申し上げたら、

「いや、その必要は、ございませんでしょう。きょうは一つ、強いお注射をしてさし上げますから、お熱もさがる事でしょう」

と、相変らずたより無いようなお返事で、そうして、所謂その強い注射をしてお帰りになられた。

けれども、その強い注射が奇効を奏したのか、その日のお昼すぎに、お母さまのお顔が真赤になって、そうしてお汗がひどく出て、お寝巻を着かえる時、お母さまは笑って、