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にいじませんせいをおもう

新島先生を憶う

大隈 重信

二十回忌に際して

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,934 字 · 8 页

青空文庫

新島氏のために名士を官邸に集む

その種々なる事務引続と共に新島君の依頼された件を我輩に紹介し、君が非凡の人物なる事、教育に対して熱烈なる精神を有する事、私立大学設立の計画を立てた事などをことごとく我輩に話して、かくの如き人物によりて企てられたるかくの如き事業は是非とも成功せしめたいから、共に尽力してくれという話であった。

新島氏のために名士を官邸に集む

我輩は既に十五年以来数度会ってその人物も知っている。ことに教育は我輩生来の嗜好でもあり、且つ我輩も当時は既に数年間東京専門学校経営の経験があったので深く新島君に同情し、直ぐにこれを承諾して大いに尽力しようという事を約した。

依って井上侯と相談の上、我輩の官邸にともかく当時の実業界で最も有力なる人々を集める事になった。その重なる面々は渋沢栄一君、故岩崎弥之助君、益田孝君、原六郎君その他大倉喜八郎、田中平八などの諸君十数名も見えたが、井上侯も我輩と同様主人役として列席せられた。

そこで我輩は新島君の計画を一同に紹介し、詮ずるところ教育は個人の事業にも非ず、政府の事業にも非ず、国民共同の事業であるから資力のある人は率先してこれを援助せられんことを望む旨を陳べ、次いで新島君はこの事業を企つるに至った精神を話されたが、その熱誠と凛烈たる精神には一座感動せざるを得なかった。