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にいじませんせいをおもう

新島先生を憶う

大隈 重信

二十回忌に際して

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,934 字 · 8 页

青空文庫

病床にて君の訃を聞く

新島君は無論酒を飲まず、煙草を喫まず、生理的からいってもこの煙は定めて難儀であろうと思うて、給仕に命じて窓を明けさした事を記憶している。

病床にて君の訃を聞く

然るに二十二年の秋には我輩は爆裂弾で足を取られて動けなくなり、新島君も病を得て活動意の如くならず、ついに明治二十三年の一月二十三日、大磯で歿するという残念な事になった。

我輩は最初大手術を行ったがそれが癒えず、却って化膿して来たので更に第二の手術を行い、なお病床に横たわっているうちに新島君の訃報に接したのである。久しく重傷に悩んだ後であるから神経は興奮している。君の死を聞いて誠に感慨に堪えなかった。

日本にまだ一の私立大学なかりし時代に於て、君が同志社を基礎として君が私立大学設立の計画を立てられたのは洵に壮挙といわねばならぬ。我輩が応分の尽力を辞さなかったのも君の志を壮なりしとしたからである。

君は大磯に病でほとんど半死の人となっておっても、君の精神はなかなか壮なものであったらしい。歿する二十日あまり前の明治二十三年の正月には病中ながら「尚抱壮図迎此春」という詩を作ってその志をのべ、盛んに理想を画いて死の既に迫れるを知らなかったそうだ。