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にいじませんせいをおもう

新島先生を憶う

大隈 重信

二十回忌に際して

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,934 字 · 8 页

青空文庫

我輩の敬服する新島氏の人格

今日まで継続する我輩と同志社との関係

我輩の敬服する新島氏の人格

君は青年時代に於て完全なる武士的教育を受け、維新前国禁を犯して密かに米国に航し、同地に於て基督教の感化を受けたのであるから、日本武士の精神と基督教の信仰とを併有する一種精神上の勇者であった。

従って炎々たる愛国の忠誠、教育に対する奪うべからざる主義と、熱心火の如き精神と、死を以て事を成さんと欲する気象とがあった。これ我輩の最も君に敬服する点である。

君が教育上に於ける感化もこの点に在ったかと思う。即ち福沢氏の如く広くはなかったが、濃厚であった様である。我が早稲田大学教授たる浮田〔和民〕博士、安部磯雄氏なども直接新島君の感化を受けた人々であるそうだが、いずれも人格の立派な学者である。これらは二氏の天分にも因る事であろうが、新島君の感化もよほど与って力ある事と思う。

君死するの時年僅かに四十八、せめて六十までも生きられたらその感化は更に偉大なものがあったであろう。

今日まで継続する我輩と同志社との関係

明治二十一年新島君のなお在世中我輩は関西に遊んで京都に立寄り、同志社にも案内せられて家内と共に行ってみた。なかなか立派な建築で地所も広く生徒も随分多かった。