轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
10 第十分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 页
各地の有力な武門にたいする北畠信雄の呼びかけ策は、とみに活溌になっている。なかんずく東海の徳川家康とは、全幅的な攻守同盟をむすび、家康もまたようやく、彼本来のうごきを明らかにしかけている。
また、諜報によれば、この三月なかばまでには、信雄は清洲に移り、家康は岡崎を発し、両者は清洲に会同して、作戦をねり、かつ大々的に秀吉の非を鳴らして、自己の名分を天下に訴え、堂々と、両者の聯合軍を押しすすめ出すものと観察される。
――とすれば、この大戦の決戦場となる地域は、どうしても、伊勢、美濃、三河を外廓として、木曾川を中心とする尾濃の山野たることはいうまでもない。
秀吉方においても、それらの考慮には、おさおさぬかりはない。
大坂城はすでに竣工した。京都の治民組織もまずできたところである。この新版図、この新勢力の府へ、おめおめかれらの馬や旗をまつものではない。
大挙、東下して、徳川北畠の聯合軍とたたかうであろう。――さて、それについてはである。
ここに、木曾川近くの、戦略的要地に、沢井左衛門雄重というのがあり、尾張領への間道を扼す黒田ノ城をあずかっているが、それだけに北畠中将(信雄)が恃みとしていることはいうまでもない。