轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

10 第十分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 页

青空文庫

みだれ笹

みだれ笹

秀次は、秀吉の姉の子である。

秀吉は、伊勢の滝川攻めにも、賤ヶ嶽にも、この甥をつれ、一方の将に立てた。そして功があると、

(よくやった)

と、眼をほそめて褒めてやった。――それほど、三好一路の子秀次は、叔父秀吉から愛されていた。

で、秀吉は、こんどの三河侵入軍にも、軍監としては、堅実な堀秀政をつけたので、総将格には、この秀次を向けた。

しかし、秀次は、年まだ十七の弱冠である。そこで秀吉は、自分の左右から、木下助右衛門と、同姓の勘解由のふたりを選抜して、

(孫七郎(秀次のこと)を、よう見てやれい。孫七も、両名を力として、世話やかすな)

と、旗本の内へ加えてやった。

九日の朝。

夜来の行軍のつかれもあり、陽もうらうらと朝を告げて、全軍、ようやく飢もじさを覚えていたので、潜行軍の最後方の――この秀次隊は、

「止まれ――」

を令し、

「兵糧をとけ」

と命じて、将は将と、兵は兵と、思い思い、脚を休めながら、朝飯にかかっていた。

所は。――白山林。

小さな丘の上に、白山神社があり、附近には、疎林が多いので、そうよばれている。

秀次は、岡の小高い所に、床几をすえ、