轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

10 第十分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 页

青空文庫

広大な地域すべて、さながら土木の戦場である。本願寺時代の古い建物とてみな取り毀されている。どこで茶会などやる気かと疑われた。

「こういう中での一会も、またおもしろかろうが」

秀吉はいうのである。

そして、彼の滞在のために、にわかに囲った仮屋作りの八畳で、七月七日から十三日まで、七日のあいだ茶事を興行するゆえ、その趣向をせよ、と命じた。

「御即意、いちだんと、興深いことでございましょう」

ふたりは、畏って、宗易と宗及とが、隔日に、席を持った。

七月七日は、七夕に因み、玉の暮鐘の絵を床に、紹鴎のあられ釜を五徳にすえ、茶入れは、初花の肩つきが用いられた。

客は、築城の工に奉行している諸侯たちで、一夕、四、五名ずつ順次に招いた。

掛けもの、花入れなどは、その日その日にかえられたが、初花の茶入れだけは、連日つかわれた。そして亭主の秀吉から、

「これは近頃、柳ヶ瀬の勝ち軍の賀に、三河どの(家康)からわざわざ使いをもって、祝うてよこした物で……」

と、東山伝来のそのことよりも、もっぱら家康が自己にたいして、かくの如き礼を執って来たという点を、しきりに……いや名器自慢に事よせて、罪なく語り聞かせるのだった。