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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

田中貢太郎『日本の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟹の怪、花の咲く比、不動像の行方、蛇怨、鮭の祟、妖怪記、鍛冶の母、鷲、尼になった老婆、幻術、忘恩、蠅供養、這って来る紐、放生津物語、地獄の使、法衣、餅を喫う、立山の亡者宿、山の怪、山姑の怪。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,664 字 · 171 页

青空文庫

「いくらと云うことはありませんが、五十両くらいあればよろしゅうございます」

「お前の病気や葬式に金が要って、現金はあまり手許にないが、五十両ぐらいならどうかなるだろう」

「どうか願います」

伯父さんは父親にも相談しなければ悪いと思った。

「お父さん、あれもあんなに云いますから、埋めてやろうではありませんか」

父親も云うとおりにしてやらねばならないと思った。

「そうでございますとも、そう云うことなら埋めてやりましょう」

其処で伯父さんが云った。

「それでは、明日、きっと埋めてやるから、安心して迷わないが好い」

「ありがとうございます」

「家のことは決して心配しないが好い、此方へは藤代のお父さんが来ておる、後のことは、皆で、好いようにする、小供も俺とお父さんとで引受けて世話をするから、心配はいらない」

「はい、それではもう往きます」

「どうぞ心配を残さないようにしてくれ」

父親も泣き声になって云った。

「芳三さん、何も心配することはないよ、藤代と小供は、わしと伯父さんとでお世話をします」

外ではもう返事をしなかった。

「もう帰ったと見える、やっぱり気にかかる物があると、浮ばれないと見える」