轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟹の怪、花の咲く比、不動像の行方、蛇怨、鮭の祟、妖怪記、鍛冶の母、鷲、尼になった老婆、幻術、忘恩、蠅供養、這って来る紐、放生津物語、地獄の使、法衣、餅を喫う、立山の亡者宿、山の怪、山姑の怪。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,664 字 · 171 页
「彼のお坊さんが、何を云うか判るもんかね、明日己一人でやろうと思っている者が、お前さんを往かせないようにしようと思って、坊主を頼んで、あんなことを云いに来たかも判らないよ」
女房にそう云われると、そんな気のしないこともなかった。
「そうじゃろうか」
「どうせそんなことじゃよ、それでのうて、彼のお坊さんが、漁のことを知るもんかね」
「それもそうじゃ、じゃ、やっぱりやるとしようか」
「そうとも、あんな者に欺されてたまるもんかね」
朝、一番鶏といっしょに起きた漁師夫婦は、利根川の流れに舟を浮べて網を入れた。其処には川を登らんとする驚くべき鮭の集団があった。未だ夜の明けきらないうちに、舟に充満の鮭を獲った夫婦は、一度帰って来てから、また舟に充満の魚を獲った。夫婦の漁を見つけて網を入れに来た者もかなりの漁はあったが、夫婦の漁の足もとに及ぶ者はなかった。
その夜、彼の漁師の家では、酒を買い、肴をこしらえて、近隣の者に御馳走することにして、獲った鮭の中から旨そうな奴を選んで、それを料理した。と、その一つの腹から数多の蕎麦切が出て来た。魚を割いていた漁師は、旅僧に喫わした蕎麦のことを思いだして厭な気がした。