轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

田中貢太郎『日本の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟹の怪、花の咲く比、不動像の行方、蛇怨、鮭の祟、妖怪記、鍛冶の母、鷲、尼になった老婆、幻術、忘恩、蠅供養、這って来る紐、放生津物語、地獄の使、法衣、餅を喫う、立山の亡者宿、山の怪、山姑の怪。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,664 字 · 171 页

青空文庫

大塚はその大猿に注意を向けた。大塚は台尻に巻いた火縄に注意した。微に火が残っていた。彼は銃をおろすなり大猿を狙って火縄をさした。強い銃声とともに大猿は仆れてしまった。と、猿の間に非常な混乱が起って、蜘蛛の子を散らすように八方へ逃げてしまった。

残忍な大塚は大恩ある猿を獲物にして己の家へ帰って来た。帰って来てその猿を庭の鉤に吊し、手足を洗って明るい行灯の下で暖かな夕食を喫っていた。

「今日は大変なことがあった」

大塚は古井戸に落ちた話から、猿に扶けられた話を女房や婢などに聞かせていた。そして、何かの拍子に行灯の傍を見ると、白い大猿が前足をついて坐っていた。

「猿が」

大塚は鬼魅悪い声を立てて引っくりかえった。

大塚はその夜から病気になって、「猿が、猿が」と叫んでいたが、とうとう死んでしまった。

この大塚家では代々猿と云うことを口にしなかった。もし、それを忘れて口にするものがあると必ず不思議なことがあったと云われている。