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かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

田中貢太郎『日本の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟹の怪、花の咲く比、不動像の行方、蛇怨、鮭の祟、妖怪記、鍛冶の母、鷲、尼になった老婆、幻術、忘恩、蠅供養、這って来る紐、放生津物語、地獄の使、法衣、餅を喫う、立山の亡者宿、山の怪、山姑の怪。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,664 字 · 171 页

青空文庫

くだされ、と云うと、王様が、それでは村の人達に云いつけて、湖の中の島へ亀の宮をこしらえさして、その下へ亀の一族を住わすことにしたらよかろう、それには、今日鮒になった男を、元の人間にして、村の人に云わさすがええと云うて、王様は帰んでしもうた、鮒になった男は、どうして元の人間になろうかと云うと、漁師の垂れた鉤に釣られるか、網に採られるかして、人間に料理してもらえば、元の人間になれると教えてくれたから、鉤を探したが、漁師が来んから鉤がない、それなら網に採られようと思うても、網を打つ者がない、そのうちに村の人たちは、亀を祭るなら、亀が人を採らんようになるじゃろうと云うて、島の中へ亀の宮を建ててしもうた、鮒になっておった人は、早く人に採られよう、採られようと思うておるうちに、やっと金沢あたりから遊びに来た人が、網を打ったが、一人の網を打った人は上手で、前へ網を投げたから入れなかったが、一人の人は下手で、網がからみあって舟の下へ落ちたから、その網にかかってあがって、頭を切りはなして料理をしてもらうと、人間になって、元寝ていた舟の中で眼がさめたが、もう亀の宮が出来ておったから、そのことを人に話しても、何人もほんとうにするものがなかったと云うよ」