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にほんのぶんめい

日本の文明

大隈 重信

「教育時論 第七百八拾貳號」開發社、1907(明治40)年1月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,737 字 · 13 页

青空文庫

これは後世の区別であるが、亜細亜、欧羅巴、阿弗利加三陸結合点の付近、今の亜細亜西部のある地方である。而して文明の発祥地は、また勿論人類繁殖の最も盛んな地であるからして、これが気候地勢等の関係からして、一は東に、他は西に向って移動したのであって、西に向ったのは欧羅巴文明、即ち西洋文明の根原をなし、東に漸んだのは亜細亜文明、即ち東洋文明の種子であった。而して西向文明は希臘を経て欧羅巴の西北部に波及したのである。

ことに宗教の如きは明らかにその発祥地を亜細亜に有する。仏教、基督教、回々教等が亜細亜に発したことは歴史上明白な事実であるが、ただに宗教のみならず、すべての学芸、美術はやはりその源を亜細亜に発して、世界に波及したのである。なおまた更に根本なる人類について観察しても、歴史、人類学、言語学、地理学上の研究を辿れば、またその発源地の唯一であることを発見するであろう。今日学術上の研究では、人類の発源地また文明の発祥地と帰一して、亜細亜西部の地とするの大勢である。

この人種、文明、宗教等はその発源地を一とするけれども、東西に拡散し永く年代を経過する間に、気候、食物、風土等の差違からして次第次第にその発達を異にし、今日に至っては、全く別物なるかの如き外観を呈するのである。