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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页

青空文庫

の〔危機〕を物語るインデックスに他ならないわけで、国粋主義なるものは即ち自分自身を裏切ることをその本質とするもののことに他ならない。一般に之が反動イデオロギーの「宿命」なのである*。

* この一節に就いては坂本三善氏の簡潔なスケッチがある(「日本主義思想の露漲」――『唯物論研究』一九三四年四月号)。

だが日本主義・東洋主義乃至アジア主義・其他々々の「ニッポン」イデオロギーが(ニホンと読むのは危険思想だそうだ)大量的に生産され、夫が言論界や文学や科学の世界にまで浸み渡り始めたのは、確かにこの二三年来である。ドイツに於けるヒトラー独裁の確立、オーストリアに於ける国粋運動、ムッソリーニのオーストリアに対する働きかけ、アメリカ独自のローズヴェルト産業国家統制、それから満洲国建国と皇帝の登極、そしてわが愛する大日本帝国に於ける陸続として断えない国粋強力諸運動。こうした国際的一般情勢の下に立つことによって初めて、日本は最近特に国粋的に扇情的になったわけであった。無論わが権威ある国粋主義運動をこうインターナショナルに並べることは、一部の国粋主義者の気に入らないだろうが(「日本主義は西洋のとは違ってファシズムではない」