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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页
一〇 日本主義の帰趨
元来所謂「統制」という観念程曖昧に理解され巧みに利用されているものはない。それというのは、その統制は実は統制の正反対物である「構成」に他ならず、又統一の正反対物である「対立化」に他ならないからだ。そして、この統制なる言葉の低級なデマゴギーとしての特色が、文芸の統制に至ってその絶頂に達するのである。
一〇 日本主義の帰趨
――ファシズムから皇道主義まで
日本主義とは、ファシズムの或る一定特殊場合に発生した一つの観念形態のことである。尤もこの主義は厳密に云うと必ずしも観念物に就いてに限って見受けられるものではなく、経済機構乃至社会の物質的土壌にまで観念の作用が浸潤する限り、この物質的な社会機構の或るものにもその特徴を押し与えているものではあるが、併し本来から云って、日本主義は勝義に於て観念であり、而も之が云うまでもなく社会の物質的な一定条件から発生するにも拘らずその物質的な基礎を客観的には反映していない。だから、観念形態という意味に於ても又不幸な観念という意味に於ても、之は極めて著しくイデオロギッシュな根本性質を初めから持っている。つまり之は「日本イデオロギー」