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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页
文献学が言語学的なフィロロギーから外へ向って拡大されるプロセスは、大体次のようなものだ――
文書を解読するのは、云うまでもなく単に言葉や文章を理解するためでなく、そこに盛られた思想や観念をこうして理解するためである。処で何でもがそう簡単に徒手空拳で理解出来るものではないので、理解の用具を提供するものが実は言葉や文章そのものだが、古典にぞくしていたり外国のものであったり、又あまりに専門的な術語に基くものであったりすれば、この理解の用具の使い方自身を又理解するための用具が必要となる。こうした理解の用具・技法が解釈なのであって、理解はいつもこの解釈を通じて行なわれる。フィロロギーはこうした言葉や文章が盛っている思想の解釈の技法を伝承して学問に仕上げたもののことで、狭い意味に於ける「解釈学」(Interpretationswissenschaft――Hermeneutik)をその哲学的核心としているのである。――なぜ狭い意味に於けるというかと云えば、この解釈学はまだ言葉(乃至文章)の説明という直接目的を離れていないからである(その内でも更に最も狭い意味で解釈学という言葉を使えば、言葉や文章の文法学的説明が解釈の事になる)。