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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页

青空文庫

一七 インテリゲンチャ論に対する疑問

一

之が今日の一切の進歩的インテリの、インテリ意識にもならなくてはならぬ。それ以外のインテリ論は凡て転向的逸脱である。

一七 インテリゲンチャ論に対する疑問

――現代のインテリゲンチャ論は問題の提出方を誤っていないか

一

インテリゲンチャの問題は最近多くの社会評論家や文芸評論家によって論じられていて、一見、これ以上、問題の新しい提起の余地は無さそうに見える。だが実はそうではない。インテリゲンチャ問題の問題の提起の仕方そのものに吾々は可なりの疑問を※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)まねばならない。

人も知っている通り、数年前までのマルクス主義思想の全盛期に於て行われたインテリゲンチャ論は、大体から云って、資本主義社会に於ける階級〔対立〕に処して、インテリが如何に無力であるか或いは自分が無力であることをインテリは如何に自覚すべきであるか、という消極的な観点から取り上げられた。そして之が当時、一種の「マルクス主義的」な常識とさえなって世間に普及したように見える。

インテリの立場から見れば云わば悲観的とも云うべきこのインテリ論の、問題提出の仕方は、云うまでもなく一定の情勢上の必然がその動機をなしていた。