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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 页
フッセルルが主にディルタイの生の哲学に対して厳密学としての哲学を主張したことはよく知られている通りだし、現象学の現象という観念を直接にフッセルルに伝えたF・ブレンターノの『経験的心理学』そのものも文献学と殆んど何の関係もない。更にブレンターノが現象という観念を引き出したA・コントの実証主義こそは批判や解釈なるものをこき下すことを建前とするものに他ならなかった。近代文献学が主にプロテスタントのものであって人間的情意の総体やそのオルガニズムを尊重したに対して、カトリック的なフェノメノロギーはそうしたヒューマニズムと縁の近いものではなかった。そこをハイデッガーはディルタイの解釈学とフッセルルの現象学とを結合したのである。――尤も晩年のディルタイはフッセルルの現象学的分析に可なり動かされていたし、F・ブレンターノ自身有力なアリストテレス文献学者でもあったから、この結びつきが諸般の事情から云って唐突だなどと云うのではない。問題はもっと根本的な処に潜んでいる。
どういうフェノメノロギーも凡て非歴史的だということにまず注目してかからなければならぬ。ヘーゲルの『精神現象学』